震災や事故などに起因して一度発生すると重大な災害につながるおそれのある大気汚染、水質汚濁問題、さらには近年環境問題として取り上げられている廃棄物の不法投棄や土壌汚染、アスベストなど化学物質の問題は、特に当社グループの事業活動に密接した問題です。私たちは、環境保全に関する法令遵守はもちろん、当社を取り巻く環境リスクを低減する活動の強化に取り組んでいます。
当社グループを取り巻く主な環境リスク

当社では、環境に関する法管理については環境部が主管となり各部門に法令・ルールの徹底を促しています。また、多くの環境法令が関係する生産部門では生産部が主管となり、法律の一元管理を行うとともに、各工場にも法管理の担当者を育成・配置し、条例等を含めた法管理の強化を図っています。
法規制などの改正時には、主管部署から各事業所へ改正内容や対応策を発信し、問い合わせ等にも対応しています。
また、万が一法令違反や環境に関する事故・苦情などがあった場合の対応方法についても手順を定め、適切に対処できる体制を整えています。
なお、2010年度は環境関連法に関して重大な違反・訴訟問題はありませんでした。

当社は、廃棄物の不適正処理リスクの低減を目指し、2007年度より全国8地区に廃棄物管理スタッフを配置して廃棄物管理体制の強化に当たっています。
廃棄物管理スタッフは、事業所と連携して廃棄物の処理を委託しているすべての業者をチェックし、優良な業者を選定することで適正処理の徹底を図っています。
社内においては、廃棄物監査によって事業所の廃棄物管理レベルを定量評価し、課題や改善度合いを明確にして管理レベルの底上げを図り、e-ラーニングによって社員の三識(意識・認識・知識)の向上を図っています。
また、処理業者の許可情報やマニフェストの発行、回収等については、イントラネットを活用した「環境情報システム(ei-system)」で管理することで人的ミスを防止するとともに業務の効率化を図っています。

施設調査の様子

ei-systemの画面
当社では未然防止の観点から大気汚染防止の管理体制の強化に努めています。近年、ばい煙の排出基準違反やデータの改ざん等が社会問題化したことを受け、当社では2007年度より、各工場で大気汚染防止法における過去3年間の測定結果やその点検記録等を再確認していますが、本年度も継続して確認を行っています。
なお、本年は大気汚染に関する行政の立ち入り調査等はありませんでしたが、ばい煙等の排出基準は継続して遵守しています。

ばい煙発生施設(ボイラー)(九州工場)
当社工場において公共用水域(海域・河川)への主な放流源は、電着塗装装置の排水処理設備や浄化槽からの排水です。その排水処理設備については、手順に基づき維持管理をするのはもちろんのこと、施設ごとに自主的な頻度で排水測定し監視強化に努めています。また、規制基準値については、最終放流口に適用される法令の値を個々の処理施設からの排水に適用し、最終放流口での水質に異常が発生しないようにしています。
なお、本年は三重工場で行政の立入り調査を受けましたが、法違反となるような指導・是正はありませんでした。

排水処理施設(岡山工場)
石綿問題に対する当社の取り組み状況を当社ウェブサイトに随時公開し、2005年10月には過去に販売した鉄骨系住宅(戸建・集合)商品における石綿含有建材使用状況を検索できるシステムを公開しました。なお、現在販売している商品については石綿を使用しておりません。
また、過去に当社が建築した建物の一部に「非飛散性」や「飛散性」の石綿含有建材を使用している場合がありますが、当該部位に劣化・損傷がなければ通常の居住状態では石綿の空気中への飛散はほとんどないと考えています。
当社の従業員および元従業員の方5名が健康被害にあわれ、これまでにそのうち3名がお亡くなりになられました。
社員の健康被害状況の把握については、過去に石綿を取り扱っていた施工現場・工場で業務に携わっていた社員を対象に2006年度より石綿健康診断を継続的に実施しています。
また、吹付け石綿を使用していることが判明した4つの自社所有建物のうち2つの建物の当該部位については吹付け石綿の除去が完了し、残り2つの建物の当該部位については飛散防止措置(囲い込み)が完了しています。
当社では、土壌汚染対策法の遵守及びリスクマネジメントの一環として、工場の土壌調査を計画的に実施しています。以下の工場以外についても、順次土壌調査を実施していく予定です。
① 四国配送センター(旧四国工場)
四国配送センターでは2007年に工場の操業停止に伴い、土壌汚染に関する調査・対策を実施しました。下記の通り、敷地の一部で土壌基準の超過を確認しており、舗装による汚染の拡散防止の実施や地下水モニタリングによる監視を行っています。
四国配送センターの土壌調査・対策結果
| 有害物質 | 最高濃度(基準) | 汚染土量 | ||
|---|---|---|---|---|
| 砒素 | (溶出) | 0.018mg/L | (0.01) | 112.3m3 |
| 鉛 | (溶出) (含有) |
0.58mg/L 2,100mg/kg |
(0.01) (150) |
1006.9m3 |
| 六価クロム | (溶出) | 0.46mg/L | (0.05) | 280m3 |
| ふっ素 | (溶出) | 1.8mg/L | (0.8) | (自然的原因のため未確定) |
| 計 | 1,399.2m3 | |||
基準:土壌汚染対策法における指定基準
② 旧鹿児島工場
2010年に操業を停止した旧鹿児島工場において、工場建屋解体が土壌汚染対策法(改正法)4条「3000㎡以上の土地の形質変更行為を伴う場合」に該当したため、土壌汚染に関する調査・措置を実施しました。下記の通り、敷地の一部で土壌基準の超過を確認したため、基準を超過した土壌の掘削除去を行いました。
旧鹿児島工場土壌調査・措置結果
| 有害物質 | 最高濃度(基準) | 汚染土量計 | ||
|---|---|---|---|---|
| ふっ素 | (溶出) | 1.3mg/L | (0.8) | 1,230.9m3 |
| 鉛 | (含有) | 4,100mg/kg | (150) | |
| 六価クロム | (溶出) | 0.12mg/L | (0.05) | |
基準:土壌汚染対策法における指定基準
※ 土壌汚染対策法に基づく「要措置区域」及び「形質変更時要届出区域」の指定を受けていましたが、2011年2月25日付で区域の全部を解除されています。