未来を拓く重点領域として、省CO2技術、資源循環技術、情報通信技術などの先端技術開発を積極的に進めています。
大和ハウスグループでは、「アスフカケツノ※」事業・技術をテーマに、 ”明日” の人・街・暮らしに ”不可欠の” 次世代商品やサービスの開発を目指しています。
その一つでもある「環境」技術では、「地球温暖化」や「資源枯渇」といった社会的課題に着目し、住宅・建築物における省エネ・創エネ・蓄エネなどの省CO2技術、建物の移設・再利用を可能とする資源循環技術、エネルギーマネジメントへの活用を図る情報通信技術を重点領域として、多様な主体との連携により、先端技術の開発に取り組んでいます。
※ ア:安全・安心、ス:スピード・ストック、フ:福祉、カ:環境、ケ:健康、ツ:通信、ノ:農業

携帯電話による家電製品の遠隔操作

検定付電力計(スマートメーター)
「スマートハウス」とは、一般に情報化された住宅を意味しますが、最近では太陽光発電や蓄電池、燃料電池などを含め、家庭内のエネルギーの最適化を行う住宅として注目されています。当社では、エネルギーマネジメントだけでなく、家庭内の情報を活かして、省エネ生活への “工夫” や “気付き” を提供したり、家族のライフスタイルに応じたさまざまなサービスを提供できる住宅と考えています。
当社では、「スマートハウス」の普及に向けて、2002年に情報技術をベースとした近未来型のモデルハウス「D's SMARTHOUSE(ディーズ・スマートハウス)」を東京都にオープンしたのをはじめ、携帯電話で宅内設備をコントロールする「留守宅モニタリングシステム」等、さまざまな研究開発や商品化に取り組んできました。2009年度には、その成果を活かすべく、平成21年度経済産業省「スマートハウス実証プロジェクト」に参加しました。
このプロジェクトでは、家庭内で使用する家電製品や住宅設備機器の制御及び、運転状況・使用履歴などの情報を収集するための共通ソフトウェア「住宅API※」を新たに開発し、その評価を目的に実証実験を行いました。
このソフトウェアのポイントは、異なるメーカーの家電や設備機器を簡単な命令で操作できる点です。家電機器の消費エネルギーを収集できるほか、ボタン一つでエアコンや照明の消・点灯を行うこともでき、住まい手の好みやライフスタイルにあったサービスの提供が可能となります。
さらに2010年度には、同じく経済産業省の「地域エネルギーマネジメントシステム開発事業」に日本IBM(株)、シャープ(株)と共に参画し、地域に設置したサーバーと連携し、蓄電池や太陽光発電、検定付電力計(いわゆるスマートメーター)等をコントロールできる機能を開発しました。これにより、創エネ、蓄熱機器も含めたトータルな情報収集が可能となり、街単位での省エネや電力会社側からの要請も含めたエネルギーの最適制御を行う「スマートグリッド」への展開が期待できます。
※ API:Application Program Interface。プログラムを簡単に開発することができるツール

2008年11月にオープンした「iias(イーアス)札幌」(札幌市)では、環境配慮をコンセプトに、カルチャー、趣味、雑貨、ファション等の店舗を集めたAタウン、スーパーなどのデイリー性の高い店舗や、フィットネスクラブ、飲食店等を集めたBタウンで施設が構成されています。全熱交換器を全館に採用するほか、Aタウンに「クール/ヒートチューブ」、Bタウンに「地中熱利用ヒートポンプ冷暖房設備」を導入し、館内の空調に利用することで熱源負荷の低減を図っています。
「クール/ヒートチューブ」とは、地中に設けた”トンネル”のことで、地中内温度が外気と比べ年間を通じて安定しているという特性を活かし、外気の予冷・予暖に利用します。一方、「地中熱利用ヒートポンプ冷暖房設備」は、冷媒の吸放熱に温度の安定している地中を利用した空調設備です。
これらの導入により、一般的な商業施設に比べ、年間260トンのCO2排出量の削減が見込めます。

iias(イーアス)札幌の外観
クール/ヒートチューブ

地中熱利用ヒートポンプ冷暖房設備


当社は、住宅だけでなく商業施設の建設も数多く手がけています。ロードサイドに建つ商業施設は、まだ使用可能な状態であるにもかかわらず、市場環境の変化に伴う出退店サイクルに応じて、解体・新築を繰り返すケースが少なくありません。これらの建物を使い捨てるのではなく、限られた資源を有効に活用するためにリユースしようと考案したのが、「リ・ストア&リ・ビルドシステム」です。
「リ・ストア&リ・ビルドシステム」では、建物を構成する主要な部材を全て工場生産し、分解・再生・再利用が容易な取り付け方法としています。これによって、不要となった建物を分別解体し、部材を当社の工場で再生、新たな土地に再建築することが可能になりました。基礎・鉄骨・外壁・屋根などの主要な部材を含め全体で約7割※1(金額比)の部材が再利用できます。また、標準タイプの店舗において、建て替え周期15年、評価期間45年とした場合のライフサイクルCO2を在来工法に比べて約25%※2削減できます。
さらなるリユース率向上に加え、省資源化の面からも技術改善を進めています。
「リ・ストア&リ・ビルドシステム」は、全国に多店舗展開されているコンビニエンスストアや飲食店舗などのお取引様を中心に、2010年度は108棟を建設、これまでの累計は328棟※2となりました。今後も当システムの普及を通して、資源循環に配慮した建物を提案していきます。
※1 当社試作棟での検証結果
※2 2011年3月末現在。試導入を含む。
「エネルギーの見える化サービス」によるエネルギーコストやCO2の削減活動のサポート、「電力設備24時間監視サービス」により、電気事故の発生リスクを軽減し、安全・安心を提供するサービスなど企業の省エネ活動を全面サポートするエネルギーマネジメントシステム「D-パワーモニター」の販売を2010年2月より開始しました。
このサービスは、エネルギー使用量を自動計測し、集積データを基に無駄の発見や運用改善を図ることでエネルギーコストやCO2の削減に繋げることができ、かつ改正省エネ法向けの報告書作成支援機能により、事務作業を大幅に削減します。また、24時間監視により電気事故の予兆を検知し、万一異常があった場合は、お客さま指定の連絡先へ連絡するシステムとなってます。

D-パワーモニター